宅建業法

免許の欠格事由と免許換え・届出

基準日 2026年4月1日。更新 2026年10月28日。 論点ノート一覧

結論

宅建業の免許の欠格は、五年でそろえません。破産して復権を得ない間は、年数ではなく復権までです。拘禁刑以上は罪名を問わず、執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から五年です。罰金は、宅建業法、暴対法(32条の3第7項と32条の11第1項を除く)、傷害、現場助勢、暴行、凶器準備集合及び結集、脅迫、背任、暴力行為等処罰法の罪に限られます。

取消しならどれも五年、ではありません。五年になるのは、不正の手段で免許を受けたときと、65条2項各号に当たり情状が特に重いとき、または65条2項か4項の業務停止処分に違反したときです。聴聞中に解散や廃業を届け出ても、相当の理由がなければ、届出の日から五年です。

免許の種類は、事務所を置く都道府県の数で決まります。二以上の県なら国土交通大臣、一の県だけならその知事です。この組み合わせが変わるのが免許換えで、同じ免許権者のままの変更は、変更の届出です。免許換えについて、三十日以内に申請せよ、とは書かれていません。

変更の届出も廃業等の届出も、三十日以内です。死亡だけは、死亡の日からではなく、相続人が事実を知った日から数えます。届出で免許が効力を失うのは、破産、合併以外の解散、廃業の届出です。

免許の有効期間は五年です。更新の申請は、満了の日の九十日前から三十日前までに出します。専任の宅建士が不足して設置義務に抵触した事務所は、変更届の三十日とは別に、二週間以内に適合させます。宅建士の登録の欠格や届出は、別の制度です。

要件・数字

  • 二以上の都道府県に事務所を置くときは国土交通大臣、一の都道府県だけならその知事の免許を受ける。有効期間は五年
  • 事務所は、本店・支店のほか、継続的に業務ができる施設で、宅建業の契約を締結する権限のある使用人を置く場所
  • 免許申請書や添付書類の重要な事項の虚偽、重要な事実の記載漏れがあれば、免許をしない
  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない間は欠格。五年では終わらない
  • 拘禁刑以上は罪名を問わず、執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から五年。全部執行猶予の期間中は、まだその日が来ていない
  • 刑の全部の執行猶予を取り消されずにその期間を経過すると、刑の言渡しは効力を失う。効力を失った言渡しを理由に、拘禁刑以上の欠格には当たらない
  • 罰金で五年になるのは、宅建業法、暴対法(32条の3第7項と32条の11第1項を除く)、傷害、現場助勢、暴行、凶器準備集合及び結集、脅迫、背任、暴力行為等処罰法の罪。詐欺の罰金は入らない
  • 不正の手段で免許を受けたときの取消しと、65条2項各号に当たり情状が特に重いとき、または65条2項か4項の業務停止処分に違反したときの取消しは、取消しの日から五年。それ以外の理由の取消しは、この五年には入らない
  • 法人がそれらの理由で取り消されたときは、聴聞の公示の日前六十日以内に役員だった者も、取消しの日から五年
  • その聴聞の公示から、処分をする日またはしないと決めた日までの間にした解散・廃業の届出は、相当の理由がなければ届出の日から五年。同じ期間に合併で消滅した法人や、その届出をした法人の、公示日前六十日以内の役員も、相当の理由がなければ消滅または届出の日から五年
  • 暴力団員は、やめた日から五年を経過するまで欠格。暴力団員等がその事業活動を支配する者も欠格
  • 申請前五年以内に宅建業に関し不正または著しく不当な行為をした者は欠格。不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者も欠格で、こちらに五年の期間はない
  • 精神の機能の障害により、宅建業を適正に営むのに必要な認知、判断、意思疎通を適切に行えない者は欠格。心身の不調というだけでは、この号に当たらない
  • 営業について成年者と同一の行為能力を持たない未成年者は、法定代理人(法人ならその役員を含む)が5条1項1号から10号までに当たると免許を受けられない。営業を許された未成年者は、その営業については成年者と同一の行為能力を持つ。成年は十八歳
  • 法人は、役員または事務所の代表者である使用人が1号から10号までに当たると欠格。個人は、その使用人が当たると欠格。役員は、業務を執行する社員、取締役、執行役またはこれらに準ずる者で、相談役や顧問でも同等以上の支配力があれば含まれる
  • 事務所について専任の宅建士の設置義務を欠く者は、免許されない。既存の事務所が設置義務に抵触したときは二週間以内に適合させる。抵触する事務所を開設してはならない
  • 免許換えは、大臣免許が一の県だけになったとき、知事免許がその県の事務所を廃止して他の一の県に置いたとき、知事免許が二以上の県に広がったとき。同じ免許権者のままの増減や移転は、変更の届出
  • 免許換えで新たな免許を受けると、従前の免許は効力を失う。引き続き営もうとして免許を申請したときは、有効期間が満了しても、その処分まで従前の免許は効力を持つ。対応する免許を受けていないことが判明すると、免許は取り消される
  • 更新の申請書は、有効期間満了の日の九十日前から三十日前までに提出する。更新後の五年は、従前の満了日の翌日から起算する。満了日までに処分がなければ、処分まで従前の免許は効力を持つ
  • 変更の届出は三十日以内。対象は、商号または名称、役員と事務所の代表者である使用人の氏名、個人の氏名、事務所の名称と所在地、事務所ごとの専任の宅建士の氏名。他に営む事業の種類は対象外
  • 廃業等の届出は三十日以内。死亡は、相続人が事実を知った日から数える。届け出るのは、死亡は相続人、合併消滅は代表する役員だった者、破産は破産管財人、それ以外の解散は清算人、廃業は個人本人または法人の代表役員
  • 届出で免許が効力を失うのは、破産、合併と破産以外の解散、廃業の届出。死亡と、合併による消滅の届出は、この失効に入らない

よくあるひっかけ

  • 取消しならどれも五年

    五年になるのは、不正の手段で免許を受けた取消しと、65条2項各号に当たり情状が特に重いとき、または65条2項か4項の業務停止処分に違反した取消しです。一年以内に事業を開始しないこと、引き続いて一年以上の休止、届出のない廃業の判明は、この五年には入りません。

  • 聴聞前に役員を辞めれば足りる

    法人がそれらの理由で取り消されたときは、聴聞の公示の日前六十日以内に役員だった者も、取消しの日から五年です。聴聞中の解散や廃業の届出も、相当の理由がなければ届出の日から五年です。

  • 罰金は罪名を問わない

    罪名を問わないのは拘禁刑以上です。罰金は列挙された罪だけです。背任の罰金は入り、詐欺の罰金は入りません。禁錮以上と覚えると、基準日の5条5号(拘禁刑以上)とずれます。

  • 執行猶予が明ければさらに五年

    刑の全部の執行猶予を取り消されずにその期間を経過すると、刑の言渡しは効力を失います。その言渡しを理由に、拘禁刑以上の欠格には当たらなくなります。猶予が明けてからさらに五年、ではありません。

  • 免許換えも三十日以内

    三十日以内と書いてあるのは、変更の届出と廃業等の届出です。免許換えの7条に、申請の三十日はありません。新たな免許を受けたときに従前の免許が効力を失い、申請後に有効期間が満了しても処分まで従前の免許は効力を持ちます。

  • 死亡の日から三十日

    死亡の三十日は、相続人がその事実を知った日からです。届け出る人も、死亡、合併消滅、破産、解散、廃業で違います。届出で免許が効力を失うのは、破産、合併以外の解散、廃業だけです。

  • 従業員の誰かが欠格なら法人も欠格

    見るのは役員と、事務所の代表者である使用人です。役員は、業務を執行する社員、取締役、執行役またはこれらに準ずる者で、相談役や顧問でも同等以上の支配力があれば含まれます。

  • 更新は満了の前日まで

    更新の申請書は、満了の日の九十日前から三十日前までに出します。三十日前を過ぎてからでは、この申請期間に入りません。期間内に申請し、満了日までに処分がなければ、処分まで従前の免許は効力を持ちます。

比較

欠格が終わる時点
事由終わる時点
復権のない破産復権まで。五年ではない
不正手段、情状の重い65条2項、業務停止違反での取消し取消しの日から五年。公示前六十日以内の役員も含む
聴聞中の解散・廃業の届出届出の日から五年。相当の理由がある者は除く
拘禁刑以上執行終了等から五年。全部執行猶予を取り消されず経過すれば、言渡しは効力を失う
列挙された罪の罰金執行終了等から五年。詐欺の罰金は入らない
暴力団員やめた日から五年。現に暴力団員である間も欠格
申請前の不正・著しく不当な行為申請前五年以内にした行為
不誠実な行為のおそれが明らか期間の定めはない

時系列

  1. 満了の九十日前

    この日から、更新の免許申請書を提出できる。

  2. 満了の三十日前

    更新の申請期間はここまで。満了の前日まで出せる、ではない。

  3. 満了日までに処分がない

    期間内に申請していれば、従前の免許は処分があるまで効力を持つ。

  4. 更新されたとき

    新しい有効期間は、従前の満了日の翌日から五年。処分の日からではない。

免許更新の期限

暗記カード

カードをタップすると裏を表示します。

破産して復権していない人は、五年たてば免許を受けられるか タップで裏を見る

受けられない。復権を得るまで欠格で、五年の号ではない。復権すれば、この号には当たらない。

詐欺の罰金は、五年の欠格になるか タップで裏を見る

ならない。罰金は、宅建業法、暴対法(32条の3第7項と32条の11第1項を除く)、傷害、現場助勢、暴行、凶器準備集合及び結集、脅迫、背任、暴力行為等処罰法の罪に限る。

知事免許の業者が別の県にも事務所を置いた。変更届で足りるか タップで裏を見る

足りない。二以上の県に事務所を持つので、大臣免許への免許換え。同じ県の中だけの増減や移転は、変更の届出。

死亡の届出をすると、免許はそのとき効力を失うか タップで裏を見る

失わない。届出で失うのは、破産、合併以外の解散、廃業。死亡の三十日は、相続人が事実を知った日から数える。

更新の申請は、いつからいつまでに出すか タップで裏を見る

有効期間満了の日の九十日前から三十日前まで。更新後の五年は、従前の満了日の翌日から数える。

専任の宅建士が不足した事務所は、何をするか タップで裏を見る

二週間以内に設置義務へ適合させる。氏名の変更を届け出る三十日とは別。抵触する事務所は開設できない。

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基準日時点の整理です(宅建業法3条、宅建業法5条、宅建業法7条、宅建業法9条、宅建業法11条、宅建業法31条の3、宅建業法65条、宅建業法66条、宅建業法施行令1条の2、宅建業法施行令2条の2、宅建業法施行規則3条、宅建業法施行規則3条の2、民法4条、民法6条、刑法27条、刑法204条、刑法206条、刑法208条、刑法208条の2、刑法222条、刑法247条)。条文の写しではありません。