宅建業法
媒介契約の種類(一般・専任・専属専任)
基準日 2026年4月1日。更新 2026年10月28日。 論点ノート一覧
結論
売買または交換の媒介契約は、他の宅建業者へ重ねて依頼できるかで分かれます。重ねて依頼できる契約を、このノートでは一般媒介と呼びます。重ねての媒介や代理の依頼を禁ずる契約が、専任媒介契約です。
専任媒介と専属専任媒介の違いは、自分で見つけた相手と契約できるかです。専属専任媒介契約は、業者が探索した相手方以外の者と売買または交換の契約を締結できない旨の特約を含む専任媒介契約です。自分で見つけた相手は、その相手方以外に当たります。
指定流通機構(レインズ)への登録期限は、専任媒介が契約の日から7日、専属専任媒介が契約の日から5日です。どちらも休業日数は算入しません。一般媒介に、この登録義務はありません。
業務の処理状況を報告する頻度は、専任媒介が2週間に1回以上、専属専任媒介が1週間に1回以上です。申込みがあったときの報告は別で、一般媒介を含め、遅滞なく依頼者へします。
有効期間が3月を超えると3月になる、という定めは専任媒介契約のものです。専属専任も専任なので同じです。一般媒介には、この法定の上限はありません。
要件・数字
- 対象は、宅地または建物の売買または交換の媒介契約。貸借の媒介には、34条の2は適用されない
- 媒介契約を締結したときは、遅滞なく、法定の事項を記載した書面を作成して宅建業者が記名押印し、依頼者に交付する
- 書面には、他の宅建業者に重ねて媒介または代理を依頼することの許否と、許す場合に他の業者を明示する義務があるかないかを書く
- 重ねて依頼を許し、かつ他の業者を明示する義務がある契約では、明示していない業者の媒介または代理によって契約を成立させたときの措置を書く
- 専任媒介契約の書面には、他の宅建業者の媒介または代理によって契約を成立させたときの措置を書く。専属専任媒介契約では、それに加えて、業者が探索した相手以外と契約したときの措置を書く
- 書面には、国土交通大臣が定める標準媒介契約約款に基づくものかどうかも書く
- 売買すべき価額または評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにする
- 専任媒介契約は、他の宅建業者に重ねて売買または交換の媒介または代理を依頼することを禁ずる媒介契約
- 専属専任媒介契約は、媒介を依頼した宅建業者が探索した相手方以外の者と、売買または交換の契約を締結することができない旨の特約を含む専任媒介契約
- 専任媒介契約の有効期間は3月を超えることができない。これより長い期間を定めたときは、その期間は3月とする
- 専任媒介契約の有効期間は、依頼者の申出により更新できる。更新の時から3月を超えることはできない
- 専任媒介契約を結んだときは、指定流通機構へ登録する。期限は契約の日から7日。専属専任媒介契約は契約の日から5日。休業日数は算入しない
- 専属専任媒介契約であるときは、その旨も登録事項になる
- 登録をした宅建業者は、登録を証する書面を遅滞なく依頼者に引き渡す
- 登録した宅地または建物の売買または交換の契約が成立したときは、遅滞なく、登録番号、取引価格、契約の成立年月日を指定流通機構に通知する
- 目的物について売買または交換の申込みがあったときは、媒介の種類を問わず、遅滞なく依頼者に報告する
- 専任媒介契約では、業務の処理状況を2週間に1回以上報告する。専属専任媒介契約は1週間に1回以上
- 有効期間、更新、登録、登録を証する書面の引渡し、申込みの報告、業務の処理状況の報告に反する特約は無効とする。契約が成立した旨の通知に反する特約は、この無効の列挙に入らない
- 書面の交付は、依頼者の承諾を得て、記名押印に代わる措置を講じた電磁的方法で提供できる。登録を証する書面も、依頼者の承諾を得て電磁的方法で提供できる
よくあるひっかけ
専任でも自分で見つけた相手とは契約できない
自分で見つけた相手との契約を禁ずるのは、業者が探索した相手方以外と契約できない旨の特約です。この特約を含む専任が専属専任です。専任媒介は、他の業者への重ねての依頼を禁ずる契約で、この特約を含みません。
登録期限は専任も専属専任も7日
指定流通機構(レインズ)への登録期限は、専任媒介が契約の日から7日、専属専任媒介が契約の日から5日です。休業日数は、どちらも算入しません。一般媒介に、この登録義務はありません。
登録の起算日は書面を交付した日
7日と5日は、媒介契約を締結した日から数えます。書面を交付した日ではありません。休業日数は算入しません。
報告の頻度はどちらも2週間に1回
業務の処理状況の報告は、専任媒介が2週間に1回以上、専属専任媒介が1週間に1回以上です。申込みがあったときの報告は別で、媒介の種類を問わず遅滞なく依頼者へします。
一般媒介の有効期間も3月が上限
3月を超える期間を定めると3月になる、という定めは専任媒介契約の有効期間です。専属専任も専任なので同じです。一般媒介には、この法定の上限はありません。
成約通知に反する特約も無効
無効とすると定めているのは、有効期間、更新、指定流通機構への登録、登録を証する書面の引渡し、申込みの報告、業務の処理状況の報告に反する特約です。契約が成立した旨の通知に反する特約は、この列挙に入っていません。
媒介契約書は宅建士が記名する
34条の2の書面は、宅建業者が作成して記名押印し、遅滞なく依頼者に交付します。35条書面と37条書面では、宅建士が記名します。
貸借の媒介も同じ登録が必要
34条の2の媒介契約は、宅地または建物の売買または交換の媒介です。貸借の媒介には、この条は適用されません。
明示義務は媒介の種類だけで決まる
重ねて依頼できる契約でも、他の宅建業者を明示する義務があるかどうかは、書面に書く事項です。専任媒介は、重ねて依頼すること自体ができません。
比較
| 観点 | 一般媒介 | 専任媒介 | 専属専任 |
|---|---|---|---|
| 他の業者への依頼 | 媒介も代理も、重ねて依頼できる | 媒介も代理も、重ねて依頼できない | 媒介も代理も、重ねて依頼できない |
| 自分で見つけた相手との契約 | 禁ずる特約はない | 禁ずる特約はない | 業者が探索した相手以外とは契約できない特約がある |
| 指定流通機構への登録期限 | 登録義務はない | 契約の日から7日。休業日は算入しない | 契約の日から5日。休業日は算入しない |
| 業務処理状況の報告頻度 | 定期の報告義務はない | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
| 申込みがあったとき | 遅滞なく依頼者へ報告する | 遅滞なく依頼者へ報告する | 遅滞なく依頼者へ報告する |
| 有効期間 | 3月超を3月とする定めはない | 3月を超えると、その期間は3月 | 3月を超えると、その期間は3月 |
暗記カード
カードをタップすると裏を表示します。
専任媒介と専属専任で、自分で見つけた相手との契約はどう違うか タップで裏を見る
専属専任は、業者が探索した相手以外と売買・交換の契約を結べない特約を含む。専任はその特約を含まない。どちらも、他の業者への重ねての依頼はできない。
レインズへの登録期限は、専任と専属専任で何日か タップで裏を見る
指定流通機構への登録は、専任が契約の日から7日、専属専任が契約の日から5日。休業日数は算入しない。一般媒介に登録義務はない。
媒介契約の業務報告の頻度はどれくらいか タップで裏を見る
業務の処理状況は、専任が2週間に1回以上、専属専任が1週間に1回以上。申込みがあったときの報告は、種類を問わず遅滞なく。
有効期間が3月を超えると3月になるのはどの契約か タップで裏を見る
専任媒介契約。専属専任も専任なので同じ。更新は依頼者の申出により、更新の時から3月を超えない。一般媒介にこの法定の上限はない。
34条の2の書面に記名押印するのは誰か タップで裏を見る
宅建業者。締結後、遅滞なく交付する。依頼者の承諾があれば、記名押印に代わる電磁的方法で提供できる。
成約を指定流通機構へ通知しない旨の特約は、無効の列挙に入るか タップで裏を見る
入らない。無効とされるのは、有効期間、更新、登録、登録を証する書面の引渡し、申込みの報告、業務処理状況の報告に反する特約。
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関連する論点
基準日時点の整理です(宅建業法34条の2、宅建業法施行規則15条の9、宅建業法施行規則15条の10、宅建業法施行規則15条の11、宅建業法施行規則15条の13)。条文の写しではありません。
