宅建業法
クーリング・オフ
基準日 2026年4月1日。更新 2026年10月9日。 論点ノート一覧
結論
宅建業者が自ら売主となり、買主が宅建業者ではない宅地・建物の売買では、事務所など以外の場所で買受けの申込みをした人は、書面で申込みの撤回や契約の解除ができます。
先に見るのは、誰が売主なのかと、申込みをした場所です。契約を結んだ場所だけでできる・できないを決めると、結論が逆になります。
期間は、撤回できる旨と方法を書面で告げられた日から8日です。告げられていなければ、この8日では閉じません。ただし、引渡しを受け、かつ代金を全部払ったあとは、告知の有無にかかわらずできません。
要件・数字
- 売主は宅建業者で、買主は宅建業者ではない。業者同士の取引にはこの制度は使わない
- 対象は、業者が自ら売主となる売買。媒介だけの取引は対象外
- 事務所など以外の場所で買受けの申込みをした人が対象になる
- 十区画以上または十戸以上の一団の分譲で、契約や申込みを受ける案内所のうち、土地に定着した建物の中にあるものは事務所などに当たる。テントなどの仮設は当たらない。売主から媒介や代理を頼まれた業者の、同じ条件の案内所も当たる
- 撤回や解除は書面で行い、その書面を発したときに効力が生じる。相手に届いたときではない
- 8日の起算点は、撤回できる旨と方法を書面で告げられた日。契約の日や申込みの日ではない
- 告知は口頭では足りない。所定の事項を書いた書面を交付して告げる
- 引渡しを受け、かつ代金の全部を支払ったあとはできない。どちらか一方だけでは対象のまま
- 業者は、撤回に伴う損害賠償や違約金を請求できない
- 申込みや契約のときに受け取った手付その他の金銭は、速やかに返す
- 申込者に不利な特約は無効
よくあるひっかけ
契約の場所で判断する
喫茶店で契約しても、申込みが事務所などでした人は対象外です。逆に、喫茶店で申し込んで事務所で契約した人は対象のままです。
自宅や勤務先は常に事務所など
自宅や勤務先が事務所などになるのは、そこで説明を受ける旨を相手方が申し出た場合です。申出がなければ、そこでの申込みも対象になり得ます。
案内所は全部同じ
事務所などになる案内所は、宅建士を置かなければならないものに限られます。十区画以上または十戸以上の一団の分譲で、契約や申込みを受ける案内所です。土地に定着した建物の中にある必要があり、テントのような仮設は当たりません。売主から媒介や代理を頼まれた業者の案内所も、同じ条件なら当たります。
媒介業者の事務所ならできる
売却の媒介を依頼された他の宅建業者の事務所も、事務所などに当たります。そこで申し込んだ人は対象外です。
8日を契約日から数える
8日は、書面で告げられた日から数えます。告知がなければ、契約から8日たっても、引渡しと代金完済が両方そろわない限り閉じません。
届いたときに効力が出る
書面を発したときに効力が生じます。業者に到達してから、ではありません。
引渡しを受けたら終わる
引渡しと代金の全部の支払いの両方がそろったときにできなくなります。片方だけでは対象のままです。
告知書面に媒介業者の表示が必要
告知書面に書く業者の表示は、売主である宅建業者の商号または名称、住所、免許証番号です。媒介した業者の表示は、この記載事項ではありません。
暗記カード
カードをタップすると裏を表示します。
できるかどうかは、契約の場所と申込みの場所のどちらで見るか タップで裏を見る
買受けの申込みをした場所。契約の場所だけを見ると逆になる。
事務所で申し込み、喫茶店で契約した買主は対象か タップで裏を見る
対象外。事務所などで申し込んだ人は、その後に別の場所で契約しても対象にならない。
8日はいつから数えるか タップで裏を見る
撤回できる旨と方法を書面で告げられた日から。契約日や申込日ではない。
撤回の書面は、届いたときと発したときのどちらで効くか タップで裏を見る
発したとき。到達は要件ではない。
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関連する論点
基準日時点の整理です(宅建業法37条の2、宅建業法78条2項、宅建業法施行規則15条の5の2、宅建業法施行規則16条の5、宅建業法施行規則16条の6)。条文の写しではありません。
