宅建業法
営業保証金と弁済業務保証金の違い
基準日 2026年4月1日。更新 2026年10月28日。 論点ノート一覧
結論
営業保証金は、宅建業者本人が主たる事務所の最寄りの供託所へ供託します。供託の届出をした後でなければ、事業を開始できません。保証協会の社員は、弁済業務開始日以後、この供託を要しません。
弁済業務保証金を供託するのは保証協会です。社員が納めるのは弁済業務保証金分担金で、協会はその納付を受けた日から1週間以内に、納付を受けた額に相当する額を、法務大臣と国土交通大臣が定める供託所へ供託します。
還付を受けられるのは、どちらの制度でも、宅建業に関する取引の債権者のうち宅建業者以外です。営業保証金では、還付を受ける人が国土交通大臣の確認書を供託所へ出します。弁済業務保証金では、先に保証協会の認証が必要です。
弁済業務保証金の還付の上限は、分担金の額ではありません。その社員が社員でなければ供託すべき営業保証金の額の範囲内です。分担金は、主たる事務所60万円、その他の事務所ごと30万円です。
期限の数え方も違います。営業保証金の不足額は、通知書の送付を受けた日から2週間以内に供託します。事務所を増やしたときの2週間は、弁済業務保証金分担金の納付期限です。
要件・数字
- 営業保証金を供託するのは宅建業者本人。供託所は、主たる事務所の最寄りの供託所
- 営業保証金の額は、主たる事務所につき1000万円、その他の事務所につき事務所ごとに500万円の合計
- 営業保証金を供託したときは、供託書の写しを添えて、免許を受けた国土交通大臣または都道府県知事に届け出る。その届出の後でなければ、事業を開始できない
- 免許の日から3か月以内にその届出をしないときは、免許権者は届出をすべき旨の催告をしなければならない。催告が到達した日から1か月以内に届出をしないときは、免許を取り消すことができる
- 営業保証金の還付を受けられるのは、その業者と宅建業に関し取引をした者のうち、取引の時に宅建業者でない者。対象は、その取引により生じた債権
- 営業保証金の還付には、取引の時に宅建業者でなかったことの確認書が要る。確認書は国土交通大臣に申請し、通知書とともに供託所に提出する
- 還付で営業保証金が政令の額に不足したときは、業者が通知書の送付を受けた日から2週間以内に不足額を供託する。供託したときは、2週間以内に届け出る
- 廃業などで営業保証金を取り戻すときは、6か月を下らない一定期間の公告が必要。取り戻せる事由から10年を経過したときは、この公告を要しない
- 保証協会の社員は、弁済業務開始日以後、営業保証金の供託を要しない。一の保証協会の社員は、他の保証協会の社員になれない
- 保証協会に加入して営業保証金を取り戻すときは、社員となったことを証する書面を添える。廃業のときの6か月の公告は、この取戻しには求められていない
- 弁済業務保証金を供託するのは保証協会。供託所は、法務大臣と国土交通大臣が定める供託所。社員が納めるのは弁済業務保証金分担金
- 分担金の額は、主たる事務所につき60万円、その他の事務所につき事務所ごとに30万円の合計
- 加入しようとする者は、加入しようとする日までに分担金を納付する。新たに事務所を設置した社員は、その日から2週間以内に、その事務所の分を納付する。この2週間以内に納付しないと、社員の地位を失う
- 協会は、分担金の納付を受けた日から1週間以内に、その額に相当する弁済業務保証金を供託する
- 弁済業務保証金の還付を受けられるのは、社員と宅建業に関し取引をした者(社員となる前の取引を含み、宅建業者を除く)。弁済業務開始日以後で、実行するには保証協会の認証が必要
- その還付の範囲は、その社員が社員でなければ供託すべき営業保証金の額に相当する額の範囲内。既に認証した額は控除し、納付を受けた還付充当金はその額に加える
- 還付があると、協会は通知書の送付を受けた日から2週間以内に、還付された額に相当する弁済業務保証金を供託する
- 還付に係る社員は、還付充当金の納付を通知された日から2週間以内に、その額を協会へ納付する。期間内に納付しないと、社員の地位を失う
- 弁済業務開始日以後に社員の地位を失ったときは、その日から1週間以内に営業保証金を供託する。供託したときは、供託書の写しを添えて届け出る
よくあるひっかけ
供託するのはどちらも業者
営業保証金を供託するのは宅建業者本人です。弁済業務保証金を供託するのは保証協会です。社員が納めるのは弁済業務保証金分担金で、協会は納付を受けた日から1週間以内に、その額に相当する額を供託します。
供託所はどちらも最寄り
営業保証金の供託所は、主たる事務所の最寄りです。弁済業務保証金の供託所は、法務大臣と国土交通大臣が定める供託所です。
還付の上限は分担金の額
弁済業務保証金の還付は、その社員が社員でなければ供託すべき営業保証金の額の範囲内です。主たる事務所60万円、その他の事務所ごと30万円は、社員が納める分担金の額です。
還付はどちらも認証が先
認証が必要なのは弁済業務保証金です。営業保証金の還付は、取引の時に宅建業者でなかったことを確認する書面を国土交通大臣に申請し、その確認書を供託所に提出します。
宅建業者も還付を受けられる
債権者自身が宅建業者であるときは、どちらの還付も受けられません。対象になるのは、宅建業に関する取引で生じた債権です。
3か月以内に供託しないと取消
見るのは供託そのものではなく、供託の届出です。免許の日から3か月以内に届出をしないときは、免許権者は催告をしなければなりません。免許を取り消すことができるのは、催告が到達した日から1か月以内に届出をしないときです。
事務所を増やしたらどちらも2週間
2週間以内に納付するのは、弁済業務保証金分担金です。その期間内に納付しないと、社員の地位を失います。営業保証金は、新設した事務所の分を供託しますが、2週間という期限は付いていません。
取戻しは常に6か月の公告
廃業などで営業保証金を取り戻すときは、6か月を下らない期間の公告が必要です。取り戻せる事由から10年を経過したときは、公告を要しません。保証協会の社員となって供託を要しなくなったときの取戻しは、社員となったことを証する書面で行い、この6か月の公告は求められていません。
還付充当金を納めなくても残れる
還付充当金は、納付を通知された日から2週間以内に納めます。その期間内に納付しないと、社員の地位を失います。地位を失った日から1週間以内に、営業保証金を供託します。
社員になる前の取引は対象外
弁済業務保証金の還付には、その者が社員となる前にした取引も含まれます。弁済を受けられるのは、弁済業務開始日以後です。
比較
| 観点 | 営業保証金 | 弁済業務保証金 |
|---|---|---|
| 誰が供託するか | 宅建業者本人 | 宅地建物取引業保証協会 |
| 供託所 | 主たる事務所の最寄りの供託所 | 法務大臣と国土交通大臣が定める供託所 |
| 額 | 主たる事務所1000万円、その他の事務所ごと500万円 | 協会が供託するのは、納付を受けた分担金に相当する額。分担金は主たる事務所60万円、その他の事務所ごと30万円 |
| 事業を始める前 | 供託の届出の後でなければ開始できない | 社員は弁済業務開始日以後、営業保証金の供託を要しない。加入しようとする日までに分担金を納付する |
| 還付を受けられる人 | その業者と宅建業に関し取引をした者(取引の時に宅建業者でない者) | その社員と宅建業に関し取引をした者(社員となる前の取引を含み、宅建業者を除く) |
| 還付の手続 | 国土交通大臣の確認書と通知書を供託所に提出する | 保証協会の認証を受け、その書面を供託所に提出する |
| 還付の範囲 | その業者が供託した営業保証金 | その社員が供託すべきであった営業保証金の額の範囲内 |
| 不足が出たあと | 通知書の送付を受けた日から2週間以内に不足額を供託し、供託から2週間以内に届出 | 協会は通知書の送付を受けた日から2週間以内に還付額を供託する。社員は還付充当金を、通知の日から2週間以内に納付する |
| 事務所を増やしたとき | その事務所の分の営業保証金を供託する。2週間という期限はない | その日から2週間以内に分担金を納付する。納付しないと地位を失う |
暗記カード
カードをタップすると裏を表示します。
営業保証金と弁済業務保証金は、誰が供託するか タップで裏を見る
営業保証金は宅建業者本人。弁済業務保証金は保証協会。社員が納めるのは分担金。
二つの供託所はどう違うか タップで裏を見る
営業保証金は主たる事務所の最寄り。弁済業務保証金は法務大臣と国土交通大臣が定める供託所。
営業保証金の額と、弁済業務保証金分担金の額は タップで裏を見る
営業保証金は主たる事務所1000万円、その他の事務所ごと500万円。分担金は主たる事務所60万円、その他の事務所ごと30万円。
弁済業務保証金の還付の上限は分担金の額か タップで裏を見る
違う。その社員が供託すべきであった営業保証金の額の範囲内。実行には保証協会の認証が必要。
営業保証金が還付で不足したとき、2週間はいつからか タップで裏を見る
不足額の供託は、通知書の送付を受けた日から2週間以内。届出は、その供託をしたときから2週間以内。
事務所を増やしたときの2週間は、どちらの制度か タップで裏を見る
弁済業務保証金分担金。期間内に納付しないと社員の地位を失う。営業保証金に2週間の期限はない。
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読んだ内容を、誤り肢の理由として書いて確かめます。
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