権利関係
自筆証書遺言
基準日 2026年4月1日。更新 2026年10月9日。 論点ノート一覧
結論
自筆証書遺言は、全部を手書きでなければならない、と一括りにすると財産目録で外れます。本文・日付・氏名と、添付する財産目録は分けて見ます。
本文、日付、氏名は遺言者自身の自書が必要で、押印も必要です。本文をパソコンで作り、日付と氏名だけ自書する、では方式を満たしません。
相続財産の目録を遺言と一体のものとして添付するときは、目録そのものは自書しなくてよいです。代わりに毎葉への署名と押印が必要で、自書しない記載が両面にあれば両面のそれぞれです。
要件・数字
- 本文、日付、氏名は遺言者が自書する。本文をパソコンで作成することはできない
- 押印が必要。自書だけでは方式を満たさない。印章でなくても、指に墨や朱肉を付けて押した指印で足りるとされる
- 相続財産の目録を、遺言と一体のものとして添付するときは、その目録については自書を要しない
- 目録を自書しない場合は、目録の毎葉に署名し、印を押す。自書しない記載が両面にあるときは、両面のそれぞれに署名し、印を押す
- 法務局の遺言書保管所に保管されている自筆証書遺言は、家庭裁判所の検認を要しない。保管を使っていない自筆証書は、この除外の対象ではない
- 加除その他の変更は、場所を指示し、変更した旨を付記して署名し、その変更の場所に印を押さなければ効力を生じない
- 訂正箇所への押印だけでは、変更の方式を満たさない
よくあるひっかけ
全文をパソコンで作り、日付と氏名だけ自書すればよい
本文も自書が必要です。パソコンで印字できるのは、添付する財産目録の例外であって、本文ではありません。
財産目録もすべて手書きでなければ無効
遺言と一体のものとして添付する財産目録は、自書しなくてよいです。毎葉の署名と押印が条件です。自書しない記載が両面にあれば、両面のそれぞれに署名し、印を押します。
本文・日付・氏名を自書すれば押印は不要
押印も方式の一部です。自書だけでは自筆証書遺言になりません。
訂正は、訂正箇所に押印するだけでよい
変更の場所の指示、変更した旨の付記、署名、変更箇所への押印がそろって初めて効力を生じます。押印だけを取り出しても足りません。
暗記カード
カードをタップすると裏を表示します。
本文はパソコンで作れるか タップで裏を見る
作れない。本文・日付・氏名は自書し、押印する。
財産目録は自書が必要か タップで裏を見る
遺言と一体のものとして添付する目録は自書不要。毎葉に署名し押印する。自書しない記載が両面にあれば、両面のそれぞれ。
自書があれば押印は省略できるか タップで裏を見る
できない。押印も方式に含まれる。指に墨や朱肉を付けた指印でも足りるとされる。
法務局に預けた自筆証書遺言に、検認は要るか タップで裏を見る
遺言書保管所に保管されているものは検認を要しない。保管を使っていない自筆証書は、この除外の対象ではない。
訂正は何がそろうと効力を生じるか タップで裏を見る
場所の指示、変更した旨の付記、署名、変更箇所への押印。押印だけでは足りない。
この論点を書いて確かめる
読んだ内容を、誤り肢の理由として書いて確かめます。
関連する論点
基準日時点の整理です(民法968条、法務局における遺言書の保管等に関する法律11条、最高裁平成元年2月16日)。条文の写しではありません。
